石油ストーブというものが最近の家でも利用されているのかは分からないけど、我が家は祖父母の代から使われている木造家屋および家具たちなので、石油ストーブのようなものも未だに利用されている。ちなみに石油ストーブには対流式と反射式があり、我が家のものは反射式。最近の家はエアコンオンリーか、あってもオイルヒーターというイメージがある。
この石油ストーブ、部屋を暖めるという機能に加えて、ストーブの上面にやかんを置いておくとお湯が沸く。フライパンを置くと肉も弱火でじっくり焼ける(放置すると燻製みたいになる)。カレーなどの煮込み料理にはぴったりだ。祖母は調理全般にストーブを利用している。
更に、ストーブの上空はとても暖かい空気に包まれ、乾燥する。祖母はこれを利用して、晴れなかった日には洗濯物を上空に設置しカラカラに乾かす。一つの機械が三つの役割を果たす。とても便利だと思う。
これらのタイミングが噛み合うと、風呂上がりにカレーの匂いが染み付いたタオルで身体を拭き、寝る前パジャマを着ているにも関わらずなぜか食欲が煽られるようになってしまう。匂いが付きやすいものを調理している最中は洗濯物に退却命令を出してほしいものだけど、祖母はかなりのきれい好きな割に細かいことを気にしないタイプの人類なので、こういったことには執着してくれない。料理の際計量もほとんどしないし、俺が帰ってくるまで洗濯洗剤の量もテキトー極まりない状態だった。この祖母の息子である我が父はきれい好きと神経質が悪魔合体して魔王と化しているので、自分が注意する側になるなら我慢すればいいやというメンタリティを身に着けさせてくれたため、そこまでフラストレーションはない。
こうしたことを大人になった時実家の記憶として思い出すんだろう…と言うには年を取りすぎてしまった。ていうか一回家出てるし。でも大事な記憶には変わりないよね。
(13m)